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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
03 小桜姫物語
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,097 字 · 267 页
四十九、梅の精
不図気がついて見ると、その小人の躰中から発散する、何ともいえぬ高尚な香気! 私はいつしかうっとりとして了いました。
『もしもし梅の精さん、あなたは何とまあ良い香を立てていなさるのです……。』
そう言いながら、私は成るべく先方を驚かさないように、徐かに徐かに腰を降して、この可愛い少女とさし向いになりました。
四十九、梅の精
梅の精は思いの外わるびれた様子もなく、私の顔をしげしげ凝視て佇って居ります。
『梅の精さん、あなた、お年齢はおいくつでございます?』
生前の癖で、私は真先きにそんな事を訊いて了いました。
『年齢? わたしそんなものは存じませぬ……。』
梅の精は銀の鈴のようなきれいな声で、そう答えてキョトンとしました。
私は自分ながら拙なことを訊いたとすぐ後悔しましたが、しかしこれで妖精とすらすら談話のできることが判って、嬉しくてなりませんでした。私はつづいて、いろいろ話しかけました。――
『ホンに、あなた方に年齢などはない筈でございました……。でもあなた方にも矢張り、両親もあれば兄妹もあるのでしょうね?』
『私のお母ァさまは、それはそれはやさしい、良いお母ァさまでございます……。