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あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页

青空文庫

辛亥革命を望見して

『明治民権史論』の著者は、年齢も若かったが、常に打ってひびく革新的情熱に生きて、議会の内部よりも、むしろ、対民衆運動の指導者たるべきことを信条とするもののように見えた。

辛亥革命を望見して

大正十一年、彼は、はじめて革新倶楽部に入党して犬養毅の傘下に位置を占める政治的立場を確立したが、それも長続きはせず、彼が外遊より得た確信が、日独伊同盟の理想を念願するようになり、次第にヒトラー、ムッソリーニの人間的影響をつよくうけ入れるようになったことだけは事実であろう。これを、しかし、今日の立場から批判することは大きな錯覚であって、中野がヒトラーに傾倒したことは、独裁者としての権勢を操縦する能力を持ったヒトラーではなくて、民族の改革と独立に全精力を注入して、いわゆる政治主義の欺瞞と誤謬から民衆を解放しようと企てたヒトラーであることを知らねばならぬ。

その由来するところは、彼が青年期に、頭山満、進藤喜平太等の玄洋社の先輩によって培われた日本主義と、中国の辛亥革命に乗りだし、現地で親しく孫文や黄興の活躍する姿を望見し、親しく彼等の意見を聞いて、アジア解放の理想を実現するために一生を捧げようと決意するにいたってからである。