轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうじょうしんぶん

工場新聞

徳永 直

「新潮」1932(昭和7)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,771 字 · 16 页

青空文庫

がよかった。

「何、云ってやがんだい、蛍め!」

悪口屋のトシが、組長達が廊下の方へ消えるとすぐ芝生にころがった。蛍とは『尻で光る』という意味だ。

廊下の方では、コンクリの上に、ペッタリ坐ってるものや、バタバタ駈け出してるものや、三四人で廊下の羽目板に顔をならべて唄ってるのや、他の工場から漁りにくる男工達とフザけてるのや色々だった。

「ちょいと、また誰か戦争にゆくわよ」

たれかが叫んだので、タツたちもそっちを振り向いた。葉撰工場の入口のとこで、在郷軍人の服を着た男工が、みんなに取り捲かれていた。

「あ、『原料運搬』の人だ」

ノブ子が云った。みんなそっちへ近寄っていった。

ソバカスの多い、青い顔した男は四十位に見えた。ダブついた服の肩に、星が二つあった。帽子を脱っている頭が、真ン中の方が禿げていた。

「あんな年寄が戦争にゆくのかね?」

トシが、ノブ子に云った。

「うん、こんどは後備でも何でも、ドシドシゆくんだ」

截刻部の頭を真ッ黄色にした男工が振り向いて云った。みんな交る交る、顔をしかめながら、短い言葉で、その出征者へ話しかけた。

「あの人は、子供が四人あるンだッてさ」