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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
小酒井不木『怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三つの痣、暴風雨の夜、秘密の相似、卑怯な毒殺、鼻に基く殺人、初往診、呪われの家、猫と村正、肉腫、謎の咬傷、血の盃、人工心臓、新案探偵法、死の接吻、好色破邪顕正、血友病、狂女と犬、犬神、遺伝、按摩、ある自殺者の手記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,140 字 · 396 页
無論犬については、一旦死んだのを甦らせる実験だけを試みたのですが、その結果、犬では死後十分間以内に取りかかれば目的を達することがわかりました。つまり動物が大きければ、人工心臓の取り附けは幾分遅くなってもかまわないということがわかりました。これは多分血液の凝固性の大小に基くものだろうと考えました。すべて小さい動物の血液ほど早く凝固します。死後にはいう迄もなく血液が凝固しますが、血液が凝固してからでは、もはや人工心臓は役に立ちません。いずれにしても私は、犬よりももっと大きな動物ならば、死の直後から人工心臓を取りつけにかかる迄の時間は、もっと長くてもかまわぬだろうとの推定のもとに、人間と同じ体重の羊を選んで実験しましたところ、果して、死後十五分過ぎて取りかかっても、たしかに甦らせることが出来ました。今度はもう人間です。何とかして人間について実験して見たいと思って居ると、何という運命の皮肉でしょう。私が人工心臓を実験した最初の人は、人工心臓の発明を手伝ってくれた妻の房子だったのです。
ある日妻は突然、研究室内で卒倒しました。私はとりあえず、妻を抱き上げてベッドの上に移し、赤酒を与えると、間もなく意識を恢復しましたが、額に手を触れて見ると火のようにほてりましたから、検温器をあてて見ると、驚くではありませんか、四十