轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おしみなくあいはうばう

惜みなく愛は奪う

有島 武郎

「有島武郎著作集 第一輯」叢文閣、1920(大正9)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,397 字 · 159 页

青空文庫

老子が道の道とすべきは常の道にあらずといったその道も或はこの本能を意味するのかも知れない。孔子が忠信のみといったその忠信も或はこれを意味するのかも知れない。釈尊の菩提心、ヨハネのロゴス、その他無数の名称はこの本能を意味すべく構出されたものであるかも知れない。然し私は自分の便宜の為めに仮りにそれを愛と名づける。愛には、本能と同じように既に種々な不純な属性的意味が膠着しているけれども、多くの名称の中で最も専門的でなく、かつ比較的に普遍的な内容をその言葉は含んでいるようだ。愛といえば人は常識的にそれが何を現わすかを朧ろげながらに知っている。

愛は人間に現われた純粋な本能の働きである。然し概念的に物事を考える習慣に縛られている私達は、愛という重大な問題を考察する時にも、極めて習慣的な外面的な概念に捕えられて、その真相とは往々にして対角線的にかけへだたった結論に達していることはないだろうか。

人は愛を考察する場合、他の場合と同じく、愛の外面的表現を観察することから出発して、その本質を見窮めようと試みないだろうか。ポーロはその書翰の中に愛は「惜みなく与え」云々といった、それは愛の外面的表現を遺憾なくいい現わした言葉だ。