轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
「オール読物」1953(昭和28)年1月〜6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 90,195 字 · 175 页
「朝は、眼玉焼きとおっしゃいましたが、半熟と、上から油をかぶせるのと、裏がえしにして一度ひっくりかえすのと、重ね焼きするのと、四通りございますが、どれにいたしましょう」
眼玉焼きに、そんなに種類があるとは初耳だった。賢夫人は、あれこれと考えたすえ、
「それじゃ、重ね焼きのほうを」
とおっしゃったが、眼玉焼きに、重ね焼きなんていうのはない。メードさんにテストされていたわけだったが、つまらないことをいったばかりに、この家の家族は、眼玉焼きにお近づきのないほど、貧窮していたのだと、これも、あっさりと見抜かれてしまった。
「それから、ガラス拭きのことですが、ボナミでやりますか。酢を入れた水でやりますか。それとも、アンモニア水でいたしましょうか。石鹸水でいたしましょうか。ヴィンテックス洗剤でいたしましょうか。ヴァキュウムでいたしましょうか」
「なぜ、そんなことを聞くんです」
「どちらさまにも、きまったやりかたがありますので、伺ってからいたしませんと、お叱りを受けることがございますんです」
「それゃ、そうね。うちじゃ、ずうっとヴァキュウムよ。あれでやってください」
床を掃除する、あの吸込式真空掃除機! 飛んでもない。