轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
11 第十一分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 页
表裏の北陸
幾たびかの往復があった。
そして、十一月の二十一日。――秀吉の方から正使富田知信、副使津田信勝のふたりが、講和使節として、岡崎へ来た。
信雄の代理として、滝川雄利も来て、調印に立ち会った。
かくて、秀吉と家康との和睦もでき、信雄は、
「まずまず、これで」
と、ほっとした。
十二月十二日。
家康の子、於義丸は、浜松の城を出て、大坂へ送られた。
石川数正の子勝千代、本多重次の子仙千代も、一しょにである。
質子の行列を見送った岡崎の将士は、沿道に立ちならんで、みな泣いた。
一時、天下を震撼させた小牧の役も、これで終った。かたちとして、暫定的に、ひとまず終った。信雄は、年暮の十四日に、岡崎へやって来て、押しつまった二十五日まで滞在していた。家康は一言のいや味もいわず、この前途の知れている好人物を、十日あまりも馳走して帰したのである。
表裏の北陸
信雄の単独講和は、一挙に、家康の立場を失わせたが、その家康と秀吉との和睦が成ると、家康を支持して諸州に騒いでいた反秀吉党もまた、謀乱の目標をうしなって、あちこちで、旗なき捨て子にされてしまった。
紀州の畠山貞政、根来の雑賀党。