轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

11 第十一分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 页

青空文庫

もちろん、ここも、つなぎ烽火の合図に、全城全土、武装のもとに、利家の本軍が来るのを夜どおし待ちぬいていた。

「さぞ、お疲れでおわさん。すぐ、大書院へ」

と、城主の前田秀継以下が出迎えると、利家は、

「いや、休息は、ここでする」

と、濠ばたに駒つながせ、床几に倚って、城内へは入らなかった。

そして、後から後から、駈けつづいてくる将士の到着をとり、兵を点呼した。

部将としては、不破彦三、村井長頼、魚住隼人など。そのほか七百余人の士卒が従っていた。

それにしても、味方は小勢。敵は大軍。

(あやういお強気)

と、たれも思わずにいられない。そう観ることの方が、常識である。

津幡城主の秀継や、その老臣、寺西宗与などは、憂いをこめて、こう諫めた。

「物見の情報によりますと、末森城は、もはや落城寸前にあって、せっかく、お駈け付け遊ばすとも、敵は大軍、とても救いは覚束なかろうと申しまする。……むしろ、この津幡に、しかと、お踏みとどまりあって、大坂表の御援助を待たれては如何なものと存ぜられますが」

云いも終らぬうちに、利家は勃然と色をなして、

「敵、大軍と聞けば聞くほど、あわれ、末森にある助右衛門らの心はいかばかりぞと思いやらるるのじゃ。