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めいじげきだん ランプのもとにて

明治劇談 ランプの下にて

岡本 綺堂

岡本綺堂『明治劇談 ランプの下にて』。同一底本的分册已合并为一书。收入:明治劇談 ランプの下にて、明治演劇年表。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,283 字 · 329 页

青空文庫

勿論、局外者とても劇作を心がけている者がないでもなく、現にわたしなどもその一人であったが、局外者の書いたものは、坪内博士の作でさえも敬遠主義を取られている時代において、なま若いわたしらの書いたものなどが所詮相手にされようはずはなかった。それでも今日ならば雑誌に発表するという方法もあるが、その当時は文芸物を掲載するような雑誌の種類もきわめて少なく、殊に戯曲のたぐいは一般の読みものにならないというので、どこでも嫌われた。わたしが一幕物の史劇をかいて『文芸倶楽部』の編集者に見せると、その編集者はそれまで私の小説や小品のたぐいを幾たびか掲載してくれたにもかかわらず、脚本ではどうも困るからこれを小説体に書き直してくれないかと言った。もしこのままで掲載を希望するならば、この脚本がどこかの劇場で上演することに決まった時にしてもらいたいとのことであった。わたしはそれを小説に書き直す気にもなれなかったので、その時はそのまま引込めてしまったのを、十幾年の後に多少の訂正を加えて、はじめて明治座の舞台にのぼることになった。それが「黒船話」である。遠いむかしに書いたものだなどというと、なんだか値打ちが下がるようにも思われたので、その時にはほんとうの新作のような顔をしていたが、実際を白状するとあの一幕物は十三、四年間もわたしの本箱