轻松读懂日语经典作品
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つきのまつやま
月の松山
山本 周五郎
「キング」大日本雄辯會講談社、1954(昭和29)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,451 字 · 41 页
「おれが知っているって」孝也は云った、「よしてくれ、人間の本心なんて誰にわかるものか、おまえがどんな人間か、おれは知りもしないし知りたいとも思わない、ただこの屋敷の中でみっともないまねをすることだけはよしてもらおう」
「貴方はどうかしているんだ」
「黙れ」孝也は立停って叫んだ、「きさま、おれを非難するのか、自分のしたことを棚にあげておれを非難するのか」
「そうじゃありません、私はただ」
「云え」孝也は叫んだ、「云ってみろ、おれがどうしたというんだ、さあ云え西秋、――云わないのか」
「よします」泰二郎は頭を垂れた。
「云えないんだな」
「いまはよします」と泰二郎は云った、「云ってもわかってもらえないようですから、明日にでも改めて云います」
「ごめん蒙る」と孝也が云った、「二度とこの話はしないでくれ、たくさんだ」
そして彼は足早にそこを去った。
孝也は一人になると身ぶるいをした。夜具の中へ入ってからも、思いだしては身ぶるいをし、呻き声をあげ、それから口の中で自問自答をした。
「あれでいいんだ、いい機会だった。広雲寺へいった利益かもしれない」孝也は眼をつむったまま呟いた、ごく低い、囁くような呟きであった、「もちろんあれでいいさ、恥じるな、嫉妬を感じたんだろう、有難いことに嫉妬を感じたんだ、嫉妬は醜いものだ、嫉妬は醜くって卑しい