轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むらいちばんそうけいせん

村一番早慶戦

佐々木 邦

「冨士」大日本雄辯會講談社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,468 字 · 34 页

青空文庫

東金君は何ういう積りか、松の幹を頻りに撫ぜていて、一向切り出さない。

「緒方君、この松は二本昔から仲よく生えているんだよ」

「うむ」

「あゝ、夕焼が綺麗だ。この塩梅じゃ明日も好い天気だろう」

「うむ」

「今は照り続ける方が作の為めに好いんだ」

「君、そんなことよりも話を聞かせてくれ給え」

「僕は言いたくないんだけれども仕方がない。憤らないでくれ給えよ」

「構わないよ。言って貰わなければ、君の心持がいつまでも分らない」

「それじゃ言おう。宜いかい?」

「宜いとも」

「君の家と僕の家は村一番の競争をしている。これは君も知っているだろう?」

「うむ」

「僕は何方が一番でも構わないと思っている。そんな行きがかりは詰まらないことだと思っているんだけれど、君の考えは何うだね?」

「僕も然うだよ」

「親父同志は兎に角、子供同志も競争ってことになると、お互の友情がなくなる。僕の親父は君のお父さんのことを今に東京の人に瞞されて財産を皆取られてしまうから気の毒なものだと言っている」

「…………」

「気の毒なら教えてやれば宜いのに、黙って見ているんだ。しかし君のところでも屹度僕の親父のことを悪く言っているだろう?」