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むらいちばんそうけいせん
村一番早慶戦
佐々木 邦
「冨士」大日本雄辯會講談社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,468 字 · 34 页
大学時代と青春の目覚め
又甲乙ない成績に戻ったのである。五年で僕は早稲田大学、東金君は慶応大学の入学試験を受けたが、二人とも恨みっこなしに不合格だった。凡庸なところ、小学校時代から伯仲の間にある。卒業してから夫れ/″\目的の大学に入学が叶った。
大学時代と青春の目覚め
当時東金家は商売が繁昌して、益※(二の字点、1-2-22)好景気だった。僕のところもモスリン会社が順調で、父は幅が利いた。モスリン重役緒方氏上京と動静が町の新聞に出る。何方だろうと村の連中は相変らず人の身上を話題にする。
「流石に火花を散らす緒方と東金だ。若いのゝ学校も早慶に別れた」
と囃し立てた。何処までも競争をさせたいのだ。しかし僕達はお互に理解があるから平気だった。東京では滅多に顔を合せないが、休暇に帰ると、行ったり来たりする。問題と早慶戦丈けに触れないで、話し込むことが多かった。その中に、東金君の姉さんが東京の資産家の令息に嫁いだ。お父さんが好男子だから、娘達は皆綺麗だ。東金君は女の中の独り息子だった。姉が一人に妹が二人ある。
「東金も格式が出来た。娘さんの嫁入り先のお母さんは華族さんから来ているそうだ。