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まつのみさおびじんのいきうめ

松の操美人の生埋

三遊亭 円朝

02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,963 字 · 176 页

青空文庫

事を、私ももう何です、有難い事に皆様が贔屓にして下すって、明日ももうお約束でいけませんが、明後日は屹度此方へお尋ね申します、お力に成るという訳にも参りますまいが、母の遺言もございますし、何うぞ気を落さずに気を確りとなすって居て下さいまし、これは誠に少しばかりですが」

と合切袋から小粒を二つばかり出しまして、

兼「これはほんの私の心ばかり何うか何ぞ召上物でも」

母「そんな心配しないでも好い、私はお前に何ぞ上げようと思って居るに却って貰っては」

兼「いゝえほんの心ばかりで、生憎今日は持合せがなんですから又出直して参ります、本当に能くねえ斯んな所にお住いで」

馬「兼ちゃんお出掛に成りましたよ、行くよ」

兼「先へお出でよ、直に行くから」

名残り惜しいから何かぐず/\して「何れ又」と小兼は出掛けます。娘も見送りながら葭簀張を出ようとすると、川崎道から参りましたのは相州東浦賀の名主役石井山三郎で、連れて参った男は西浦賀の江戸屋半治、ちょっと競肌な男で、これは芳町の小兼と疾うより深い中で、今は其の叔父の銚子屋へ預けの身の上、互に逢いたいと一心に思って居るところ、