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まつのみさおびじんのいきうめ
松の操美人の生埋
三遊亭 円朝
02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,963 字 · 176 页
三十二
ことはないが、何か気になると見えまして、
宮「万端気を付けて参れ、早く帰れよ」
山「御機嫌宜しゅう」
と出ますると真白な馬が繋いで有ります。
三十二
山三郎は此の馬を見ますると好い白馬だ、白馬と申しても濁酒とは違います、実に十寸もある大馬で、これに金梨地の蒔絵の鞍を置き、白と浅黄の段々の手綱で、講釈などでしますと大して誉る白馬で、同じ白馬でも浅草の寺内にある白馬は、彼は鮫と申して不具だから神仏へ納めものになったので、本当の白馬は青爪でなければならんと申します、臠肉厚く、頸は鷄に似て鬣髪膝を過ぎ、宛がら竜に異ならず、四十二の旋毛は巻いて脊に連なり、毛の色は白藤の白きが如しと講釈の修羅場では読むという結構な馬に、乗人が乗人ですから、一角入れてスタ/\スタ/\タヽヽヽヽヽとよく云いまするが嘘だそうです、聞きまするに馬は乗りたてから駈を逐うと、馬が苛れていかんそうで、山三郎は馬も上手でございますから鞍へひらりと跨りまして、最初は心静かにポカ/\とだくを乗りまして、陣屋前から大ヶ谷町を過ぎて、鴨居の浦を乗切りまして、此処らは難所ですが、馬は良し乗人は上手でぽん/\乗切って頓て小原山の中央へ参りますと、湯殿山と深彫のした