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まつのみさおびじんのいきうめ
松の操美人の生埋
三遊亭 円朝
02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,963 字 · 176 页
海「あゝ斯う目付ってはもう仕方がねえ、他人には云うなえ」
半「云やアしねえ、其の代り打明けていった今の話は聞いて呉んなせえ」
海「実はなア六年あとの祭のとき、小兼が若衆頭で裁附とやらいうものを穿いて、金棒曳になって、肌を脱いで、襦袢の袖が幾つも重なって、其の美しいこと何とも彼ともいえなかった、愚僧は其の時ぞっこん惚込んだが、何をいうにも坊主の身の上、又お前という色男があるから諦めて居たが、けれども実に彼のような女ア無いなア、あんな好え女をお前何んで厭になったのじゃ」
半「何だって外に若えのが出来たからさ、お願えだ己がいう事を聞いてくれ」
海「お前本当に女郎に売る気かえ」
半「そうよ」
海「女郎に売る気なら愚僧にくれんかい」
半「お前が貰ってくれゝば実に有がたい、それに一と晩でも抱寝をした女だから実は女郎に売りたくも無えのよ、お前が彼奴を留守居にしてくれりゃア重畳だ」
海「そりゃア愚僧も願ったり叶ったりじゃ、これから衣の洗濯でもして貰ったり、綻びでも縫うてくれゝば実に有難い、これまでは何をするにも皆な他へ出すものじゃから銭が入ってどうも叶わんが、左様なれば万事につけ都合が好えじゃ、お前、ほんまに世話して呉れようか」