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まつのみさおびじんのいきうめ

松の操美人の生埋

三遊亭 円朝

02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,963 字 · 176 页

青空文庫

四十一

四十一

引続きましてお聞きに入れまする、竹ヶ崎の南山へ山三郎一人で乗込んで参るというお話、一体山三郎は釣の極好きな人でございますから、此の日も宅を出まするとき、釣に行くような風を致して、一寸した結城の袷に献上博多の帯をしめて、弁当箱は籠に出来て居ります。竹の編物で極凝った弁当でございます、これを携げまして、關兼元の無銘摺上げ一尺七寸ばかりの脇差をしまして、日和下駄を穿いて竹ヶ崎へ掛って参ると、とっぷり日が暮れまして、月の出ようという前で、頓て粥河が屋敷の大門を這入って、二重門の所へ立ちまして、

山「お頼み申す/\」

というと奥では待構えて居た一同が、此の声を聞附けまして、

圖「これ/\千島、表に声がするが山三郎が参ったようで」

禮「宜しゅうございます」

圖「半治支度は好いか」

半「へえ、すっかり出来て居ります鉄砲へも玉込をして置きました」

圖「それまでには及ばん、酒の中へ毒は這入って居るか」

半「へえ、入れて置きました」

圖「これ/\千島、手前腰の物を差して往かん方が宜い、無刀の方が却って気を許すからなそれに一人では宜くない、長治と二人で出ろ、重々しくな、粥河圖書がお出迎にまかり出ます