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まつのみさおびじんのいきうめ
松の操美人の生埋
三遊亭 円朝
02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,963 字 · 176 页
二十一
道理はなし、何んでも怪しいと考え、棺桶の葢を力にまかせて取りますと、此の棺の中に何物がおりますか、次席に申し上ます。
二十一
新井町の山三郎は真堀の定蓮寺の本堂の床下に埋めてある棺桶の蓋を取ると、この中に灯火が点いておりまして、手燭に蝋燭が点いて、ぼうっと燃えております。中に居ります婦人は年が二十一二で、色白の品の好い世にも稀なる美人でございます。扮装は黒縮緬に変り裏の附きましたのに帯はございませんで、薄紅色のしごきを幾重にも巻附けまして、丸髷は根が抜けてがっくりと横になって、鬢の髪も乱れて櫛簪も抜けて居てありませんで、何う云う訳か女の前に文売のような物があって、山三郎が覗くと件の女は驚きまして山三郎の顔を見ると直に傍にありました合口を取って今咽喉笛を突きに掛りますから、山三郎は驚き飛掛ってもぎ取ると、見られてはならんと思いまして前の文売を取り、急いで懐中へ入れて隠しまする様子故、まア此方へお出でなさいと云うので彼の女を本堂の上へ抱上げまして、彼の手燭に点いております蝋燭の灯火を女の前へ置きまして、婦人が顔を上げまするを山三郎が見ますると、三年前池上のお籠の日堤方村の茶見世に出て居りました