轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
えいぞうのし
栄蔵の死
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 38,295 字 · 77 页
腰と首根と手足の附け根に、富山の打ち身の薬が小汚くはりつけてあった。
一月ほど立って手は上る様になったが指先が利かなかった。
三度の食事の度んび、栄蔵はじれて涙をこぼしたり怒鳴ったりした。
栄蔵の体はいつとはなし衰弱して来た。
手足がむくんだり、時に動悸が非常にせわしい事などがあったけれ共、お節は元より栄蔵自身でさえ心臓が悪くなって居ると云う事は知らなかった。
今はもう只一人の相談相手の達に一寸でも来てもらうより仕様がないと思って、お節は人にたのんで今度の事をこまごまと書き、
「私もたった一人にて、何とも致し様これなく候故、何卒、十日ほどの御暇をもろうて一度帰って来て御くれなされ度。
と云ってやった。
(七)
返事をよこさないで「達」は四日目の朝戻って来た。
あちらに勤める様になってからまだ一度もつづけて暇をもらった事がないので快く許してもらえた事を話し肩に掛けて来たカバンの中から肉のかんづめやら西瓜糖やらを出し、果物のかなり大きい籠まで持って来た。
お節は一言云っては涙をこぼして居た。
隣りで、「達」の声を始めて聞いた時栄蔵は、顔に血がのぼるほど一種異様な感じに満ちた。