轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふくろうのめ
梟の眼
大倉 燁子
「キング 一三巻三号」1937(昭和12)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,354 字 · 23 页
春樹は慌てて半席を譲った。
「お一人でこんな処にいらしたの? いつホールを脱け出しておしまいになったか、私、ちっとも知らなかった。ご一緒に飲むお約束をなすったくせに、おいてきぼりするなんて、酷い方ねえ」
「くたびれちゃったから――、少し休んでまた行く積りだった。酒でも飲んで、元気をつけてね、――さア、どう? もう一度僕と踊らない?」
女は吃驚したように、
「まあ、あなた、何もご存じないの? もう舞踏会はお終いになっちゃったんですよ。悪い奴がいて、銀髪の奥さんのネックレースを掏ッたんだそうですわ。ホールの中は、いま、その事で大騒ぎしているの」
春樹はプッと吹き出して、
「誰がやッたんだろうな。またどこかのポケットにでも入れてありゃしないか知ら?」
「オホホホ、お妹さん、もう話しちゃッたのね、いやだわ」と女は笑いながら、大きな眼で睨んだ。彼はちょっと真面目になって、
「だが――。あの話は少し変だね。僕は妹から聞いて、直ぐ三越に電話で問い合せてみたが、ダイヤは一つも紛失して居りませんッて云ってたぜ」
「それや不思議はないわよ。三越のダイヤなんかに手をつけやしませんもの。