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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
02 第二部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 146,773 字 · 294 页
」
みんなは、それで默りこんだ。すると大沢は恭一を見ながら、
「しかし、本田、このまま放っとくと危いぜ。ことに狐の奴と来たら執念深いからな。頬ぺたを下級生にひっかかれて默っちゃおらんだろう。」
「僕もそうだろうと思うが……。」
恭一はいかにも不安そうな顔をしている。
「だから、陰ながらバックしてやるさ。僕だって、それはやるよ。五年生にも話せばわかる奴はいるんだから、狐だけぐらいは何とか手出しさせんですむかも知れん。……四年生全体がバックするなんて言うと、大げさになるし、そうなると、五年生だって負けてはいないだろう。それでは学校が大騒ぎになる上に、君の弟のためにもかえって悪いよ。四年生に侮辱された上に、五年生全体にいじめられることになるんだからね。……どうだい、諸君、みんながそのつもりで、目立たないように本田の弟をバックしてやろうじゃないか。」
方々で賛成の声がきこえた。
「なるほど、そいつは名案だ。そんな工合にやると、五年生に対して自然四年生の権威を示すことも出来るわけだ。」
誰かがそんなことを言った。
「おい、おい――」
と、大沢はその生徒を見て、
「そんなけちなことを考えるのは、よせ。