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みんげいよんじゅうねん
民藝四十年
柳 宗悦
柳宗悦『民藝四十年』。同一底本的分册已合并为一书。收入:民芸四十年、改めて民藝について、四十年の回想。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 页
九
否、彼らは無学であったのみではない。中には邪な者もあったであろう。盗みせる者さえもあったであろう。怒れる者、悲しめる者、苦しむ者、愚かなる者、笑える者、悉くの衆生がこの世界に集る。だがそれらの者にさえも工藝の一路は許されてある。それは民藝である。民衆から出る工藝である。
だがその作には美しさがある。彼らは識らずとも、驚くべき美しさがある。凡ての作は救われている。作る者はこの世の凡夫であろうとも、作る器においては既に彼岸の世に活きる。自からでは識らずとも、凡てが美の浄土に受けとられている。凡夫の身にさえも、よき作が許されるとは何たる冥加であろう。そうしてそれが悉く浄土の作であるとは、何たる恩寵であろう。一つの器にも弥陀の誓いが潜むといい得ないであろうか。悪人必ず往生を遂ぐとの、あの驚くべき福音が、ここにも読まれるではないか。工藝において、衆生は救いの世界に入る。工藝の道を、美の宗教における他力道といい得ないであろうか。
九
この摂理から次ぎ次ぎに驚くべき性質が起る。よき作を集めるならば、そのほとんど凡てに作者の名が見えないではないか。いつも自我への固執が消されているのではないか。