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みんげいよんじゅうねん

民藝四十年

柳 宗悦

柳宗悦『民藝四十年』。同一底本的分册已合并为一书。收入:民芸四十年、改めて民藝について、四十年の回想。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 页

青空文庫

九

は、とても有難い文字である。

力量あって自力門をくぐる者は、絶対自主の道を体得するであろう。ただ惜しい哉、終りを完うする者がいたく少い。道が嶮しいからである。これに対し他力門を進む者は、絶対他主の境に活きるのである、救いを誓われている道に身を任すのである。それ故下凡の者といえども、救いから離れることはない。易行の道といわれる所以である。

九

力ある者は自らで自らを救うであろう。救いおおせるであろう。これは仏の大智に則る者である。古来幾許かの僧侶はかかる修行に徹した。だが力なき者が無数に残る。これをまのあたりに見て仏の大悲は動く。彼の悲願なくしては衆生の済度は覚束ないのである。それ故仏はどうしても救おうと誓いを立てたのである。正覚を果したその慈悲は、偏えに凡夫のためであったともいえる。だから親鸞上人は進んで「悪人正因」の教えを述べた。大胆極まる考えである。「善人なおもちて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」と。一旦は不思議に思われるとも、この言葉はどこまでも信じられてよい。仏の大悲を想えば、この教えに疑いを差挟む余地は残らぬ。

才不才に惑うなどは二次的である。