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えいきゅうへいわのせんけつもんだい
永久平和の先決問題
大隈 重信
「大觀 第二卷第一號」大觀社、1919(大正8)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,090 字 · 22 页
民族自決は当然のみ
我輩はこの常則を尋ねて今より約二千五百年前の春秋戦国の歴史に鑑戒を求むる事は決して誤りに非ず、而して王道は最後の勝利であるけれども、而かも積習の致すところ容易に改むるを得ずして、各々自国を強大にせんと謀り、仁義を仮って覇業を志し、覇道が久しく当然に行われた事実は、あたかも世界の列強が現代まで民族的に久しく争い続けて来たと同一事実である事を顧み、向後永久の平和を確保せんためには、この過ちを避くるの道を講ぜなくてはならぬと信ずる。
民族自決は当然のみ
カイゼルが民族的感情を煽るために黄禍論を提唱するの妄挙を為すに至るのも、やはり彼をしてかかる民族的僻見に陥らしむべき歴史的因縁が存在してこれに至ったもので、民族の相異なる、容易に渾然融和する事、漆の膠に投ずるが如くに為り得ぬ。而してカイゼルの如きはたまたまこの感情を高調して、他民族に対する力の征服を志したものに外ならぬんである。試みに英国を見よ。英の愛蘭を支配するすでに三百年になるが、今なお治まらず、永くその累を受けて処置に苦しんでいるでないか。印度は久しく尨大なる帝国を樹立していたけれども、その間内憂外患に苦しめられて統一を欠いていたので、それが今で完全な統一を見ているのは全く英国の御蔭である。