轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 页

青空文庫

道と言っても特別の道ではない。水が涸れて、河床が露出しているだけで、しかし黄砂のようにめり込まないから、歩きやすいのである。その河床に白い棒のようなものがころがっていた。

「何だろう?」

加納はいぶかりながら、それに近寄って行った。城介が叫んだ。

「あ。人間の腕だ」

肱から先の腕がごろりと横たわっていた。切り口は不規則で、刃物で切ったものでなく、力ずくでもぎ取ったという感じである。城介は身慄いをしながら、加納にささやいた。

「女のだぜ。どうしたんだろう?」

爪が長々と伸びていたのだ。どの指の爪も平均した長さで伸びていた。

「あれは非常に印象的、と言っちゃ悪いが、あとあとまで思い出して、話題にしたね。ことに城介君は――」

「何でそんなところに女の腕が落ちてたんだね?」

「その時は判らなくて、ぞっとしただけですが、やがて判った。あちらでは死体を火葬にしないで、土葬にする。それを野犬が、向うじゃ狼と言ってたが、やはり野犬ですな。掘り出してくわえて河床に持って来たんだ。何かの事情で、犬はその腕をそこに置き去りにしたんだね。ところが寒いのと空気が乾燥しているんで、腕は死んでも腐敗しないで、原形を保っている。