轻松读懂日语经典作品
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 页
「わたしゃ仁木の死んだことは知らなかったがね、城介君はこう言ってたよ。仁木は城介君に、おれが死んでお前は嬉しいだろうなと、にらみつけたそうだ」
加納は慨嘆した。
「二人は相性が悪かったんだね」
「そう言われて、城介はどんな気持だったんだろうな」
「戦争はイヤだ。つくづくイヤなもんだと言ってたね。今まで厚和で楽な生活をしていたでしょう。それが急に苛烈な戦闘に引っぱり出される。誰だってやり切れないですよ」
栄介は広漠としたステップを想像し、突如として眼前にあらわれる巨大な地隙を思い浮べようとしたが、やはりうまく行かなかった。
「それでとにかく五原まで行ったのかね?」
「わたしたちは行かなかった。最前線部隊が突っ込んで、五原を占領して、直ちに反転した。ただそれだけのために、砂漠を歩き、地隙を降りたりよじ登ったりしたんだ。何千何万という将兵がだね」
加納は舌打ちをした。
「五原を一度は攻略したんだから、作戦として、成功したといえば成功したんでしょうな。しかし犠牲者が多過ぎたよ。途中で包囲されて、ほとんど全滅した小隊もあるしさ。そんな犠牲を出すくらいなら、厚和あたりに飛行場をつくって、飛行機で爆撃すりゃ、話は簡単じゃなかったのかと、今自分は思うんです」