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ねこはち
猫八
岩野 泡鳴
「大阪毎日新聞」1918(大正7)年9月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,513 字 · 39 页
四
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そこへ、
「そんなことよりも、僕が一番癪に障ったのは」と来たので、また天神さまのお喋舌かと言ってやりたかったが、さきは例の熱心な調子であった、「この作者の軽薄な態度である。時事新報に出た匿名の月評にこの作を非常に悪口言って、久米もこんな浅薄な物に満足している男だからだめだというようなことが書いてあったので、じつは、僕もほん気でどんなに浅薄な物だろうと思って読んでみたのですが、僕にはそうばかにした物でもないと思われた。ところが、今夜ここの御主人に伺ってみると、その月評子とはその久米自身であるそうです」
「へい」と、猫八はしぶしぶ口を出したつもりであったが、われ知らずにたりと笑っていた。そしてやはり自分の考えどおり、この作者には、この作の落ちまたは結論は自分の本意に出たのでなく、実際の本意は人をばかにした物だとうなずかれた。そして久米とかいう人ばかりをすッかり気に入ってしまった。「昔の三馬などのようにちょッとおもしろい人じゃアございませんか?」
「そんなに軽薄なんか、なア、久米という作者は」と、知識がおが言った。
「そりゃア、これまでの作を見ただけでも分ってるじゃないか?」