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ししまいざっこう
獅子舞雑考
中山 太郎
「民俗芸術 第三巻第一号」1930(昭和5)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,092 字 · 16 页
と云うているが、鶏毛で飾り角の生え工合から見ると、これも竜体の一種であることは、容易に看取される。図師嘉彦氏が描いた、秩父の三峯神社用の獅子頭のスケッチなどを見ても、角に枝のあるところが、竜に近いもののように思われる。
勿論、獅子頭の角には、私の見たものだけでも、一本のと二本との区別があり、さらに一本のにも角らしいのと玉らしいものとの相違があり、二本のにもその生え工合の相違しているものがある。そして、一本角は能楽の利巾系のものであって、玉のようになったのは、これの退化したのではないかと思われるが、私の学力ではこれ以上のことは判然しない。二本角にあっては、武蔵国北豊嶋郡岩淵町大字赤羽の、八幡社の社宝である獅子頭は、春日の作と伝えているが、大きな角が約九十度位の角度で生えている〔註五〕。それから先年ネフスキー氏が、陸中国上閉伊郡土淵村で撮影した写真に拠ると、これも立派に二本の角を有しているが、その角は左右に開いている。さらに徳丸本の獅子頭の角(雄獅子は黒、中獅子は赤)は二本であるが、竜のそれの如くナセになっている。私とてもこうした角の生やし方は、その土地に限られた、所謂郷土舞踊の約束(または流派)に負うところのあるのは承知しているが、それかと云うてこの角の有無が、鹿と獅子との区別の決定要因だとは、考えられぬ