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たいない

胎内

三好 十郎

「中央公論」1949(昭和24)年4、5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,766 字 · 136 页

青空文庫

俺にゃ、できん。信じられんから、神さまなんて。……必要もない。だって、いるものならいるだろうし、いないものならいない。俺が信じたって信じなくたって、事実は変りゃしない。そうじゃないか?……俺あ、これでたくさんだ。やって行けるんだイヨイヨとなるまで。つまり、君よりゃ、俺の方が強いよ。なぜだ、そりゃ? 俺に、その、君のいう、観念があるからだよ。つまり、俺がクソインテリだからだ。ハハ、ハハハ! そうじゃないか? 俺あ、自分が、クソでもなんでもいいから、インテリだったことをよかったと思う。人間は、どんな人間でもだんだんバカになるわけにゃ行かん。だんだん、インテリになるよりほかに、行く道はないよ。いつまでも――第三の世界戦争が起きようと、第四の戦争が起きようと、原子バクダンの千倍の兵器が発明されようと、そのために地球が破壊されようと、それをこらえて、しのいで、どこまでも生き抜いて行けるのはインテリだけだ。生きて行きたいと思ったら、インテリになるほかに道はないんだ。かしこくなる以外に道はない。悪いのは、中途半端だからだ。中途半端だった――つまり、クソだったからだ。