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たいない
胎内
三好 十郎
「中央公論」1949(昭和24)年4、5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,766 字 · 136 页
おめえみたいな大メシクライは、出ていけ! ヘヘ。チヅが、いつもいうもんだから、おぼえちまって――
村子 へえ!……よくまあ、しかし――でも、子供まである、とにかく、すると、かなり永い間の奥さんでしょう?
佐山 そりゃそうですけど……あいつにしても無理はないんですよ。僕みたいな、こんな――とにかく、ジャマですからねえ。僕あ、要らんのですよ。無理あないんで、……小松原といっしょの方が、チヅは幸福ですから――
村子 ――というと?
佐山 いや、その――
花岡 よくあるヤツだ。君が召集されている間に、その小松――その男ができちゃった。
佐山 いや、僕が戻ってからです。(アッサリして、なんの感情もこもらぬ)
花岡 どっちにせよ、けしからんじゃないか。そいで君あ、だまって引っこんでるのかい?
佐山 僕あ、要らんですからねえ。
村子 要らんといったって、とにかく――
佐山 いや、僕がですよ。チヅにしたって、かわいそうなんですから。
花岡 なあにをいってるんだか、サッパリわからんじゃないか。君が、いくら働きがないからって、かりにもだ――
佐山 そうじゃないんですよ。この――戦争中、ここでなにしている間に、からだが、もう、しんからまいっちまったんですねえ。