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たいない

胎内

三好 十郎

「中央公論」1949(昭和24)年4、5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,766 字 · 136 页

青空文庫

それを――それを、これも商売だと思うから、うまいことをいってやると、いい気になって、ヤニさがって、まるでヒヒ猿みたいに、なんじゃないか――知ってますよ! 私のほかに、ヘンな女があんたにゃ、ほかに三人もいるじゃないか! ヘッ! あんたなんかね、板橋のヌカミソくさいおかみさんの尻にくらいついてて、ピョコピョコ子供をひり出してりゃいいんですよ。第一、織工時代から苦労させて、もう子供が四人もあるおかみさんが、気の毒じゃないの! 私、シンから、そう思う! そうじゃなくって? (ホントの同情でバラバラ涙を流している)

花岡 ヘヘヘ、とんだところで同情するんだなあ? 女房や子供と別れて、早くハッキリと籍を入れてくれって、ヤイヤイいってヤキモチを焼いてたなあ、誰だい?

村子 ありゃ、手だわよ。誰がシンから、あんたなんかに妬いたりするもんか。ヘ、金さえありゃ、どんなことでもできるかと思って、ペッ! ポッ! 私のことにしたって、金で――さんざん金で釣って――

花岡 だからよ、その釣られたのは――その、金で釣られたのは、どこの誰だといってるんだ。

村子 (歯をむいて)さんざん、人のこと、なにして、そいで――はじめのなんにしたって人をまるで、酒でもりつぶして酔っぱらわしといて、手ごめ同様にして――