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くのうのねんかん
苦悩の年鑑
「新文芸」1946(昭和21)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,798 字 · 16 页
中国を相手の戦争は継続している。
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私は、純粋というものにあこがれた。無報酬の行為。まったく利己の心の無い生活。けれども、それは、至難の業であった。私はただ、やけ酒を飲むばかりであった。
私の最も憎悪したものは、偽善であった。
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キリスト。私はそのひとの苦悩だけを思った。
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関東地方一帯に珍らしい大雪が降った。その日に、二・二六事件というものが起った。私は、ムッとした。どうしようと言うんだ。何をしようと言うんだ。
実に不愉快であった。馬鹿野郎だと思った。激怒に似た気持であった。
プランがあるのか。組織があるのか。何も無かった。
狂人の発作に近かった。
組織の無いテロリズムは、最も悪質の犯罪である。馬鹿とも何とも言いようがない。
このいい気な愚行のにおいが、所謂大東亜戦争の終りまでただよっていた。
東条の背後に、何かあるのかと思ったら、格別のものもなかった。からっぽであった。怪談に似ている。
その二・二六事件の反面に於いて、日本では、同じ頃に、オサダ事件というものがあった。オサダは眼帯をして変装した。