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ふきのしたのかみさま
蕗の下の神様
宇野 浩二
「赤い鳥 第六巻第一号」赤い鳥社、1921(大正10)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,862 字 · 12 页
三
三
桝ではかって目方にかけて、
己が命を俵につめる、
エンヤラ一、エンヤラ二。
尺ではかって鋏で切って、
己が命を切り刻む、
エンヤラ一、エンヤラ二。
いつ頃から始まっていたのか、ふとクシベシが目を醒ました時にはこういう唄が聞えるのです。それがどうやら大勢の声のようにも聞えますし、又一人の声のようにも聞えるのです。クシベシは大きな欠伸をしながら、起き上ってそこらを眺めましたが、声ばかりして人らしい姿は見えないで、一つ、二つと俵が自分の小屋の中に転がって来るのが見えるのです。
「なる程、神様だけに正直だな」と気がつきました。「コロボックンクルが約束通り、持って来やがったな」
コロボックンクルはクシベシには何とも言葉をかけないで、唯唄ばかりうたって、一俵、二俵、と見る見るうちに六俵の俵を積み上げました。クシベシは心の中で、ここへ六俵積んで、それからあそこへ又十俵ばかり積んで、それからどこへ積むのか知らと見ておりますと、俵は六俵積み上げられただけで、それで終と見えまして、
「では、約束通り持って来たよ、さよなら」というコロボックンクルの声だけが聞えましたので、
「何だい?」