轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はえおとこ

蠅男

海野 十三

「講談雑誌」1937(昭和12)年1月号~10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,129 字 · 237 页

青空文庫

室内には、電灯が煌々とついている。六階で電灯のついているのは、そんなに沢山あるわけではない。どうしてもこの室なのに、塩田先生と村松氏は、一体中で何をしているのだろう。

ボーイは把手をつかんで、押してみた。

だが、扉はビクともしない。内側から鍵がかかっているのだった。

「変だなア。モシモシ、お客さん――」

と、ボーイは大声で呶鳴りながら、扉を激しく叩いた。

すると、扉のうちで、おうと微かに返事をする者があった。

ボーイはホッとして、鴨下ドクトルの顔を見上げた。ドクトルは鬚だらけの顔のなかから、ニヤニヤと笑っていた。

やがて扉の向うで、鍵の廻る音が聞えた。そして扉がギーッと内に開いて、顔を出したのは村松検事だった。だが彼の顔は、血の気を失って、まるで死人のように真青であった。

検事は、ブルブル慄う指先で室内を指し、

「殺人事件がおこったんだ。ボーイ君。そこらにいる人を大声で呼びあつめるんだ。それから、鴨下ドクトル。すみませんが、どこかそこらの室から電話をかけて、警察へ知らせてくださらんか」

村松は、やっとそれだけのことを云った。ボーイは、扉ごしにチラリと室内を見やった。