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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年10月~1926(大正15)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,828 字 · 181 页
学校も学校、小説家修行も小説家修行である。
一概に医者といっても個人個人の性質によって違うのだろうが、この佐久間先生はナカナカ面白い人だ。もう可なり古い医学士で、僕達は赤ん坊の時からの馴染である。以前陸軍にいた関係からお祖父さんと懇意だったので、僕の家は何でも佐久間さんだ。内科外科小児科と有らゆる看板を出しているが、子供が好きだから、いつの間にか小児科が先ず専門になっている。内科も相応にやる。外科は不器用だから手荒くていけない。
「私は念の為め必ず必要以上に切ります」
と言っている。匿さないから宜い。
「腫物なら私だと痛いですから、誰か他の方に紹介して上げましょう」
と至って正直だ。見ず知らずの人の外は手術をしないらしい。
斯う打ち解けた間柄だから、診察に来ると能く話し込む。自分の信用にならないようなことを平気で喋り立てる。
「皆丈夫ですが、田舎の高等学校へ行っている次男がこの頃痔を患っています」
なぞと矢張り子煩悩と見えて、息子さん達が屡話題になる。
「然うですか? それはいけませんな」
とお父さんは子供の病気には特に同情する。
「早く手術を受けろと言って、金まで送ってやったんですが、億劫がって入院しません。