轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年10月~1926(大正15)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,828 字 · 181 页
「成程、皺は年々豊富になりますな」
と剽軽なお祖父さんが笑った。
「悪いものばかり豊富になりますよ。私は喘息で痰が豊富になってからは殊に縮み方が烈しい。去年の土用干しに軍服を着て見て悲観しましたよ。ダブダブです」
と荒川さんもお祖父さんに負けない。
「頭丈けは痩せないと見えますな。帽子は一向大きくなりません」
とお祖父さんは妙なことを言い出した。頭の痩せる奴はなかろう。
「頭は骨です。骨は何年たっても痩せませんよ。しかし内部は矢張り縮みますな。昨今物忘れをすること夥しい。今日は扇子を忘れて来ました」
と荒川さんは序ながら団扇を請求した。
「しかしあなたは外部に異状がない」
「その代りこの通り真白です」
「白くても毛のある方が宜いですな。今更形態でもありませんが、禿げていると危いです。一寸電球を支えても直ぐに怪我をします。生傷が絶えません」
「あなたは早くお禿げになりましたな。初めてお目にかかったのは聯隊長時代でしたが、もう些っともありませんでしたな?」
「いや、あの時分は未だありました。禿げたのは少将になってからです」
とお祖父さんは主張した。いつの頃から禿げたか知らないが、僕はお祖父さんの若い時分の写真を見ているから、以前生えていたこと丈けは保証出来る。