轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ろんごものがたり

論語物語

下村 湖人

「現代」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,688 字 · 266 页

青空文庫

)

彼はそう思った。が同時に、子路との間に取交わされる問答を想像して、これは一寸面白そうだ、とも思った。子路がどんな顔をして帰って来るのか、心配なような、待遠しいような気持になって、彼は相変らず子路の様子を眺めていた。

子路の方では、農夫たちがまるで彼の声など耳にも入らぬような風なので、ひどく癪に障っていた。彼は、それでも、仕方なしに二人のすぐそばまでやって来た。そして呶鳴りつけるような声で云った。

「おい、これほど呼んでいるのに聞えないのか。」

背のひょろ長い方の農夫が、顔をあげて、じろりと子路を見た。そして変に嘲るような笑いを洩したかと思うと、またすぐ下を向いてしまった。三四寸髯を垂らした、五十恰好の、どこかに気品のある顔である。それは長沮という隠士であった。

子路は、この時はじめて、これはしまった、と思った。で、少し照れながら、急に丁寧に云った。

「いや、これは失礼。……実は渡場に行く路がわからなかったものですから……」

すると、また長沮が顔をあげて子路を見た。今度はあまり皮肉な顔はしていなかった。しかし、返事をする代りに、道路の方を見遣って、そこに孔子の車を見つけると、もう一度胡散臭そうに子路の顔を見た。