轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
「俸給袋を開けて見て、いつもより余計に入っていたら、それ丈け上ったのです。辞令ってものがありません」
「はあ」
「年に二度も三度も上る人があります。尤もナカ/\上らない人もあります。三年四年と上らない人は大抵常識で判断して自分の方から見切りをつけます」
「はゝあ」
「万事簡便主義です。人間と人間の交渉ですから、然ういう場合も以心伝心で行きます。お役所と違って、辞令ってものが一切ありません」
と亀田さんは辞令のないのを大発明のように吹聴して、
「宜いですかな?」
と念を押した。
「分りました」
「条件はそれ丈けです。差支ありませんか?」
「結構でございます」
「それで、仕事の方ですが、社会部は百貨店のようなものです。世上の有らゆる出来事を扱いますから、有らゆることを浅いながらも広く知っている必要があります」
「はあ」
「あなたは毎朝新聞を見る時、何の面へ先ず目を通しますか?」
「社会面です」
「然うでしょう。一般読者は社会面から先に見ますから、新聞は社会面の惹く惹かないで直ぐ売行に影響します。一口に三面記事と言いますが、その三面記事が決して馬鹿になりません」
「はあ」
「三面記事しか読まない人が多いんですからな」