轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
「僕なぞもその組です」
「それで社会面では極力センセーションを惹き起すことに努めます。例えば強盗の記事を扱うにしても、単に忠実な報道丈けでは利き目がありません。この分では今晩家へ入るかも知れないと思い込ませるほどに書き立てます」
「成程」
「英国流ではいけません。何処までもアメリカ式に行きます」
「英国式とアメリカ式は違いますか?」
と堀尾君は記者を発心して未だ漸く三日目だから、何も知らない。
「違いますとも。英国の新聞記事はお上品一方です。例えば人殺しがあっても、『何々町の悲しき出来事』といったような見出しです。内容も妙に遠慮して修辞を慎みますから、最後まで読まないと何ういう事件だか分りません。そこへ行くとアメリカの新聞は手っ取り早い。『何々町の三人殺し』と大見出しをつけます。次に『犯人未だ縛につかず』『一名危篤一名重傷一名無事』と段々活字を小さくします。皆見出しですよ。内容に至っては無論もっとセンセーショナルですが、見出し丈け読んでも大体が分るような仕掛けになっています。忙しい世の中ですからね。単に『悲しき出来事』じゃ要領を得ません。読者が食いつきません。