轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
五尺七寸、眉目秀麗、申分ないお婿さんだ。
家長が斯う打ち解けた態度を取ってくれるので、正晴君は家の人同様に寛いだ。道子さんの予想通り、奥田君は帰郷早々で兎角忙しい。相思の二人は全く水入らずに語り合う機会があった。一週間が時の間に過ぎた。八日目の午後、海を見晴らす二階の縁側で籐椅子に凭れていた時、
「堀尾さん」
と道子さんが見返った。
「何ですか?」
と正晴君は待っていた。
「東京へお帰りになったら、矢っ張り麹町へ来て下さる?」
「上りますよ」
「しかし兄さんがいる時ほど度々お出になれませんわね」
「それは仕方がないです」
「詰まらないわ」
「しかし御無沙汰にならない程度で伺いますよ」
「月に一遍?」
「まあその辺でしょうね」
「詰まらないわ」
と道子さんは再び鼻を鳴らした。
「仕方がないです」
「あるわ」
「はあ?」
「仕方があるわ」
「何ういう意味ですか?」
「お分りにならない?」
「さあ」
「早く口をお探しになれば宜いじゃありませんか?」
「それは帰ったら直ぐに探します」
「下宿? 今度も」
「いゝえ、一軒持ちたいと思っています」
「その方が宜いわ」
「これも帰って直ぐに探します」
「何の方面?」