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うしすてばうますてば
賤民とは何か
喜田 貞吉
喜田貞吉『賤民とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牛捨場馬捨場、旃陀羅考、賤民概説、特殊部落ということについて、放免考、濫僧考、濫僧考補遺。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 页
かくて清行は全国課丁の数を調査して、畿内五国と西海道及び奥羽二州を除いたほかの、五十箇国の課丁の総数が三十万に充たず、しかもその大半は帳簿の上のみでその身なきものだから、実際は十余万人に過ぎないと云っている。これも事実であったに相違ない。それは別項「男と子供の少ない戸籍」に見える通り、延喜二年における阿波国板野郡田上郷の戸籍残簡によるに、知る事の出来る人名総数五百四十六人の中で、男が僅かに六十二人、女が四百八十四人とある。すなわち男一人に対して女七人八分強となるのである。また同じ延喜八年の周防国玖珂郡玖珂郷の戸籍残簡によるに、人名を知りうべき総数三百四十七人中で、男が九十一人、女が二百五十六人とある。すなわち男一人に対して女二人八分強となり、この方は前者に比してはよほど成績のよい方ではあるが、それでもなお実際を距る事遠きは言うまでもない。そしてその戸籍に加わらない男子はどうなったかというと、中には事実逃亡して行衛を暗ましたのも少くなかろうが、多くは清行のいわゆる禿首の徒となって、家に妻子を蓄え口に腥を啖い、形は沙門に似て心は層児のごとき輩となっていたのである。