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うしすてばうますてば

賤民とは何か

喜田 貞吉

喜田貞吉『賤民とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牛捨場馬捨場、旃陀羅考、賤民概説、特殊部落ということについて、放免考、濫僧考、濫僧考補遺。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 页

青空文庫

という変な名前の書には、坂の者すなわち三家者を、連寂衆とも、非人とも云い、また燕丹とも云い、渡守・山守・草履作・筆結・墨子・傾城・癩者・伯楽等は、みなその類例だとある。(本誌六巻五号七三頁を見よ。)燕丹はすなわちエタの宛字で、当時はこれらの徒をまで広くエタと呼んでいた事が知られるのである。「師茂記」貞治四年六月十四日の条に、武家の沙汰として祇園御霊会の神輿を穢多に舁かしめたとある穢多は、無論同社の犬神人たる坂の者を云ったものであろう。

かくエタの名称はもと餌取に起り、ひとまず屠者の称となり、さらに広く河原者・坂の者等の称ともなり、いわゆる非人・乞食等、およそ類似の社会的地位のものをすべてエタと呼ぶ事になったのである。しかし彼らのすべてが屠者という訳ではない。ただ彼らは祖先以来の風習をなお存して、肉食を忌むことをなさなんだ。したがって彼らは、その極めて社会的地位の低いことからして、一般世人から賤しめられたに無理はないが、由来屠殺肉食を忌むことのなかった我が国において、これを穢れたるものとして区別するの必要はなかった筈である。しかるに仏教流通の結果として、はてはかつて獣肉を供物として捧げた筈の我が天神地祇までが、肉食屠殺を忌み給うという思想が一般に流布して、彼らは穢れたものである、穢れ多きものであるとの意義