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あかつちへくるこどもたち
赤土へくる子供たち
小川 未明
「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页
「ボールをしようか。」
そんなことをいっているところへ、鳥打帽をかぶって、足にゲートルをまいた男が、ステッキをついて、原っぱをみんなのいる方へ、歩いてきました。
「あっ、いつかきた紙しばいのおじさんじゃあない?」
「そうだ、おじさんだ。」
「おじさあん。」と、みんなが、さけびました。
「おうい。」と、おじさんが、笑いました。
「どうしたの、おじさん、しばらくこなかったね。」
「ああ、商売がえをして、このごろは、お話をして学校をまわっているのだ。」と、おじさんは草のはえたところへ、こしをおろしました。
「なにか、おもしろいお話はないか。」と、おじさんが、みんなにききました。
「おもしろい話って、どんな話?」と、信ちゃんが、いいました。
「なんでも、君たちが見た話さ。」
「おじさん、してあげようか。」と、善ちゃんが、いいました。
友だちが、みんな善ちゃんの顔を見ました。
「きのう、ぼくプールへいったんだよ。そして、泳いでいると、どこかの子が、小さな弟と妹をつれてきたのさ。そして、うきぶくろにつかまって、泳ぎなさいといったのだよ。けれど、その小さな弟も妹も水にはいるのが、はじめてとみえて、おそろしがってはいらないのだ。