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あかつちへくるこどもたち

赤土へくる子供たち

小川 未明

「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页

青空文庫

」

「それから樺太までいったよ。」

「樺太? たいへん寒いところまでいったんだね。」と、子供たちは、あの北のはしにつき出て、青い海の色にとりまかれた、ほそ長い島を思い出しました。

「ツンドラ地帯って、沼地みたいな、こけばかりはえているところがある。そこへ火がつくと、なかなかきえない。何年ということなく、燐の火のようなのが下からもえ上がる。

また、樺太には、人間の手のはいらない大きな森や林がある。それに火がつくと、それこそたいへんだ。どこまでもえるか、わからないからな。そんなとき、どうするかというに、火のもえていく何十メートルか先の林を切りはらって、あきちをつくるのだ。そして、火事のある森の片方のはしへ火をつけるのだ。すると、あちらからもえてくる火と、こちらからもえていく火とだんだん近づいて、どこかで出あうだろう。そのときは、どうだと思う。ドーンという大きな音がして、火のはしらが空へ立つのだ。そして、それで火がきえてしまうのだ。なぜって、両方からの火で、空気があつくなって、まん中の空気がなくなるからだ。」

「ほんとにおもしろい話だな。おじさんは、その火事を見たの?」