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あかつちへくるこどもたち
赤土へくる子供たち
小川 未明
「せうがく三年生」1939(昭和14)年6~12月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,075 字 · 33 页
じつは、いなくなったのでしんぱいして、みんなが、さがしに出ているのですよ。いつもつないでおくのですが、朝、くさりをといてやったら、いなくなってしまったのです。」と、おばさんは、おれいをいいました。
武夫は、ジョンをくさりにつないでから、
「さようなら。」と、いいました。
三人は、いいあわしたようにジョンの方をふり向きながら、門を出ようとすると、ジョンは、ついていこうとして、くさりを鳴らしてほえました。
「ぼっちゃん。待っていてください。」と、おばさんが、あわてて奥から出てきました。そして、げたをはいて、紙に包んだものをみんなのところへ持ってきました。
「これは、ほんのおだちんですよ。あめか、おかしでも買って、わけてください。」と、おばさんは、信一の手に渡そうとしました。
「いいえ、そんなものいりません。」と、信一は、手を引っこめました。
「そんなこというものでありません、さあ取ってください。」と、こんどおばさんは、善吉に渡そうとしました。
「おかしなんか買うとしかられます。」と、善吉も、手を引っこめました。
「じゃ、えんぴつを買ってわけてください。」と、おばさんは、むりに武夫の手ににぎらせました。