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てんき
転機
伊藤 野枝
「文明批判 第一巻第一号、第二号」1918(大正7)年1月、2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,656 字 · 67 页
古河の町はずれの高い堤防の上まで帰って来たとき、町の明るい灯が、どんなになつかしく明るく見えたか! 私はそれを見ると、一刻も早く暖い火の傍に、その凍えたからだを運びたいと思った。
古びた、町の宿屋の奥まった二階座敷に通されて、火鉢の傍に坐った時には、私のからだは何ものかにつかみひしがれたような疲れに、動くこともできなかった。落ちつかない広い室の様子を見まわしながらも、まだ足にこびりついて残っている泥の気味悪さも忘れて、火鉢にかじりついたまま湯の案内を待った。
――一九一八・一――