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のわき
野分
一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页
下等はないそうだ。中野君は無論上等である。高柳君を顧みながら、こっちだよと、さも物馴れたさまに云う。今日に限って、特別に下等席を設けて貰って、そこへ自分だけ這入って聴いて見たいと一人坊っちの青年は、中野君のあとをつきながら階段を上ぼりつつ考えた。己れの右を上る人も、左りを上る人も、またあとからぞろぞろついて来るものも、皆異種類の動物で、わざと自分を包囲して、のっぴきさせず二階の大広間へ押し上げた上、あとから、慰み半分に手を拍って笑う策略のように思われた。後ろを振り向くと、下から緑りの滴たる束髪の脳巓が見える。コスメチックで奇麗な一直線を七分三分の割合に錬り出した頭蓋骨が見える。これらの頭が十も二十も重なり合って、もう高柳周作は一歩でも退く事はならぬとせり上がってくる。
楽堂の入口を這入ると、霞に酔うた人のようにぽうっとした。空を隠す茂みのなかを通り抜けて頂に攀じ登った時、思いも寄らぬ、眼の下に百里の眺めが展開する時の感じはこれである。演奏台は遥かの谷底にある。近づくためには、登り詰めた頂から、規則正しく排列された人間の間を一直線に縫うがごとくに下りて、自然と逼る擂鉢の底に近寄らねばならぬ。