轻松读懂日语经典作品
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ようきなきゃく
陽気な客
山本 周五郎
「苦楽」苦楽社、1949(昭和24)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,086 字 · 46 页
それが「神戸夜話」でないことは慥かだし、背中に印刷してある活字がどこかで見たことのあるような感じなので、ちょっと手を伸ばして5冊ばかり取ってみたのさ。……それは「新演劇」というひところちょっと知られた同人演劇雑誌で、おれも読んだことのあるものだったんだ。だがまだなにも気がつくわけはないさ、暢気なつもりで一冊の目次をあけて眺め、放りだして二冊めの目次を眺めた。するとそこに「いったい誰が馬鹿だ」という一幕物の戯曲が載っているのをみつけたんだ。
――おれは少しは酔ってきたらしい。
――このかすとりは大丈夫なんだろうな。メチールのはいってるやつは臭くってこっちの精神さえ大丈夫なら本来が飲めたしろものじゃない筈なんだってな。……そうとすればこいつは大丈夫は大丈夫らしい、注いでくれ。
――それから四五日は仲井天青はひしゃげた様な顔をしていた。そうして例の一升壜から酒を湯呑み茶碗へ注いで、椅子の上にあぐらをかいてねじり鉢巻をして、がりがりとペンの音をさせながら原稿を書いていた。……それが、これは云いたくはないんだが、原稿といっても実は恥ずかしくて顔の赤らむのを誰だって拒絶することができやしない。