轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あめあがる

雨あがる

山本 周五郎

「サンデー毎日涼風特別号」毎日新聞社、1951(昭和26)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,794 字 · 43 页

青空文庫

「おやめなさいたよ、失礼ですから」

「はい、やめます、そして貴方にだけ申上げますわ」おたよは向き直り、声をふるわせて云った――、「これからは、貴方がお望みなさるときに、いつでも賭け試合をなすって下さい、そしてまわりの者みんな、貧しい、頼りのない、気の毒な方たちを喜ばせてあげて下さいまし」

彼女の言葉は嗚咽のために消えた。牛尾大六は辟易し、ぐあい悪そうに後退し、そこでなんとなくおじぎをして、ひらりと外へ去っていった。

時刻は中途半端になったが、区切りをつけるという気持で、二人は間もなく宿を出立した。あの晩の米も余っていたが、主膳の呉れた金も折半して宿の主人に預け、またなが雨のときや困っている客があったら、世話をしてやって呉れるようにと頼んで、……夫婦が草鞋を穿いていると、あのおろくさんという女がやって来た。病的に痩せて尖った顔を(あいそ笑いらしい)みじめにひきつらせながら、「御新造さんこれ持ってって下さい」と、薬袋の古びたのを三帖そこへ出した、「――草鞋にくわれたとき付けるといいんですよ、煙草の灰なんですけどね、唾で練って付けるとよく効きますよ、……もっといいお餞別をしたいんだけど、そう思うばかしでね、……つまらないもんだけど」