轻松读懂日语经典作品
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あめあがる
雨あがる
山本 周五郎
「サンデー毎日涼風特別号」毎日新聞社、1951(昭和26)年7月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,794 字 · 43 页
八
同宿者たちは大いに喜んだが、猿廻しが頃合をみはからって、「みんなが少しお鳥目をはずんで呉れれば、これから猿に閨ごとを踊らせてみせる」と云うと、かれらはみれんなくそこを離れて、居場所へ戻ってしまった。
その翌朝。食事を済ませると間もなく、おたよは荷物を片づけ始めた。
「今日はいいお日和でございますわ」なにかを包みながら、独り言のように彼女はそう云った、「――少し雲があるくらいな日でも、あの峠はよく雨が降るそうですから、越すなら今日のような日がいいと云いますわ」
八
「そう、実に今日はよく晴れた」
伊兵衛は話をそらすように、低い庇越しに空を見あげ、貧乏ゆすりをし、また空を見あげ、そして立ちあがった。
「おでかけなさいますの?」
「いやでかけやしない、ちょっとその」
彼は宿の外へ出て、おちつかない眼つきで城下町のほうを眺めやった。かなり苛々しているらしい、ふとそっちへ歩きだしそうにして、思い返して、短い太息をついた。そのときうしろで、いきなりテテンテテンと太鼓の音がした。あまり突然だったので、彼は吃驚して横へとび退いた。
「お早うござい、今日円満大吉でござい」
猿廻しであった。