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ゆきこんじゃくものがたり
雪今昔物語
中谷 宇吉郎
「自然」1947(昭和22)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,695 字 · 32 页
一九
大変楽しみにしておいでになります」というお話であった。「前に一度ニュースは御覧になったことがあるので、あれの動かないようなものですと申し上げているところで御座います」と女官長は微笑みながら話された。
一九
すっかり準備が出来たのでお待ちしていると、義宮様を先頭に、孝宮様、順宮様、清宮様と四人お揃いで、御機嫌よくはいって来られた。義宮様は初等科五年生と承っていたが、お席につかれる前に「今日は御苦労でした」と可愛いいお声で挨拶をされた。中等科四年生の順宮様は、ノートをお出しになって、筆記の用意をされた。孝宮様はもう高等科一年になっておられるので、如何にも姉宮様らしく、まだ初等科二年のお小さい清宮様のお椅子などを直されながら、すぐそばにお座らせになった。
初めから幻燈を使いながら、約一時間ばかりお話をした。孝宮、順宮様方には充分おわかりになる話である。しかし初等科の義宮様や特にまだお小さい清宮様は、お退屈にならないかと心配していたのであるが、おききになっている御様子では、大変御興味がありそうであった。それで安心して予定どおり、一時間あまりお話を申し上げた。